田舎特有の「陰湿さ」とは?地方移住で気を付けたいこと
近年、都会の喧騒から逃れ、自然豊かな田舎でのスローライフを求める人が増えています。地方移住は、家賃が安く、自然環境に恵まれ、生活の質が向上するなど、多くの魅力を持っています。しかし、その一方で「田舎は陰湿だ」「地方の閉鎖的なコミュニティに苦しんでいる」といった声も耳にします。この記事では、田舎移住における「陰湿さ」とは何か、その背景にある真実を掘り下げてみたいと思います。
田舎の「陰湿さ」とは
まず、「陰湿さ」とは何を指すのでしょうか?この言葉は、田舎特有のコミュニティの閉鎖性、保守的な価値観、外部から来た者への不信感などを示すことが多いです。たとえば、移住者が近所付き合いに苦労したり、地域の習慣や伝統に馴染めずに孤立したりすることがあります。これらは一見すると「陰湿」と捉えられるかもしれませんが、実際にはいくつかの要因が絡み合っています。
コミュニティの閉鎖性
田舎の小さなコミュニティは、しばしば外部からの人々を警戒する傾向があります。これは、都会のように多様なバックグラウンドを持つ人々が集まる環境とは異なり、長年にわたって築かれた人間関係や慣習が深く根付いているためです。新しい人が入ってくることで、既存のコミュニティの均衡が崩れることを恐れる心理が働くのです。これは住んでいる家のまわりだけでなく、仕事や学校における子供に向けられることもあります。
また、地方では噂が広まりやすいという特徴もあります。都会では、人々がそれぞれの生活に忙しく、他人に干渉しない文化が根付いていますが、田舎では人々の生活がかなり密接に絡み合っており、他人を気にするため些細な情報もすぐに広まってしまいます。これが「陰湿さ」の一因となり得ます。
保守的な価値観と伝統
田舎の多くの地域では、保守的な価値観や伝統が根強く残っています。これには、長年の風習や地域独自の文化が含まれます。移住者がこれらの価値観に馴染めない場合、疎外感を感じたり、逆に地元住民から「よそ者」として扱われることがあります。このような経験から「陰湿さ」と感じられることがあります。
また、田舎では「出る杭は打たれる」という文化が根強い場合もあります。都会で当たり前だった自己主張や個人の自由が、地方では批判の対象になることも少なくありません。「思ったことを正直に言わない」「目立つことはしない」これが移住者にとって、田舎暮らしの厳しさとして感じられることもあるのです。
地元の事情と経済的背景
田舎の「陰湿さ」は、経済的な問題とも深く関わっています。地方は都市部に比べて経済的に厳しい状況にあることが多く、地元住民が移住者に対して経済的な脅威を感じることがあります。たとえば、都会から来た人々が地域の資産や土地を買い占めるといった事例があると、地元の人々は不安や不満を抱くことになります。
さらに、地方の若者が都会へ流出し過疎化が進む中で、移住者に対する期待が過剰になる場合もあります。移住者がその期待に応えられなかったり、逆に地域の変革を求める姿勢を見せると、地元住民との間で摩擦が生じることがあります。
表向きと本音の違い
新たな取り組みへの抵抗なのか、運営そのものへの批判なのか分かりませんが、実際にあった陰湿な事柄をご紹介します。
ある地域で、活性化事業として、県から助成金をもらって空き家への移住者獲得の活動をしていました。
活動には地域の公民館を無料で利用していましたが、ある日、公民館運営委員会で、使用料の支払いを課すことに決定しました。
公民館の内規では「○○町内会の団体の使用については、無料とする。個人及び町内以外の団体が使用する場合は、原則上記の料金を徴収する。」と記載してあり、活性化の組織は町内会の団体では無いと言う解釈で、原則と書かれているので、例外として免除する解釈も出来ますが、例外の解釈はしないと決まったようです。
この活性化の活動は、その公民館のある地域を活性化するための事業で、活性化の組織と公民館運営委員会や町内会の役員はほとんど重複しているので、公民館の使用料を助成金から支出すると、助成金の横流しと判断されるので、助成金から公民館の使用料を支出することは出来ません。
また、この活性化組織は、前年度に事業は行わないことを決定しているので、独自にお金を生み出すことも出来ません。
このような事情を知りながら、重複しているメンバーの1人が、公民館運営委員会で、使用料を課す提案をして、使用料を課す決定をすることにとても陰湿なものを感じました。公民館の使用料を課すことで、会の活動が決定的なダメージを受けて継続が困難になるのですが、ごく一部の人が仕掛けたゲームに他の役員がまんまと乗ってしまい、活動が困難になってしまったのです。
表向きは、活性化事業に協力しているように見せかけながら、裏では、活性化事業を継続出来ないような工作をする陰湿さにとてもイヤな思いをしました。
活動に不満や抵抗があるのなら、率直に言えば良いだけのことなのですが、それを陰湿な仕掛けで、活動出来ないようにする陰湿さは田舎独得のものなのかは分かりませんが・・・。
田舎の陰湿さの解決策と向き合い方
田舎の「陰湿さ」にどう向き合えば良いのでしょうか?一つのアプローチとして、移住者が地元の文化や価値観を尊重し、時間をかけてコミュニティに馴染む努力をすることが挙げられます。地元の行事に積極的に参加し、地域の歴史や習慣を学び、「私はこの地域が好きです!」という姿勢をアピールすることで地元住民との信頼関係を築くことができるでしょう。
また、田舎暮らしを始める前に、現地の状況やコミュニティの性質をよく理解しておくことも重要です。地域の住民と事前にコミュニケーションを取り、相互理解を深めておくことで、移住後のトラブルを未然に防ぐことができます。
もし陰湿さを感じる出来事があっても、移住者自身が柔軟な心を持ち、地元住民と歩み寄る姿勢を持つことが大切です。相互理解とコミュニケーションが鍵となり、これが「陰湿さ」と感じられる部分を和らげ、豊かな田舎暮らしを実現するための第一歩となります。
まとめ
田舎移住は、多くの魅力とともに、「陰湿さ」という課題も内包しています。しかし、この「陰湿さ」は、地方特有のコミュニティの在り方や経済的背景、文化的な違いから生じるものであり、必ずしも悪い気持ちに基づくものではありません。移住を考えている方は、地方の実情を理解し柔軟な姿勢で地元と向き合うことで、この課題を乗り越え充実した田舎生活を手に入れられるはずです。